気になる動画がアップされたので、シェアしつつ、日本の農業の今と未来を考えてみます。まず結論から言うと、私たちの住む日本の食料生産は(現時点で)絶望的だと言わざるを得ません。動画の作成者さんは51歳で、半農半Xで農業を続けているそうです。そして、このところ周囲で離農する人が増えていて、その背景を考察したという内容です。
離農の理由5選
1. 体力
2. 収入
3. 耕作機械の老朽化
4. 後継者不在
5. 転職
動画を視聴していて、すべて「その通りだなあ」と思いながら、同時に「さて、日本の食料自給をどうやって復活させていこうか」と頭を働かせました。もちろん、私一人でどうこうなるような問題ではありません。しかし、思考停止して「座して死を待つ」ような消極的な選択肢は自分にはありません。
すでにHalu農法の確立や野菜の量産に取り組んではいますが、私や仲間が野菜を育てるだけで解決するような単純なことではないと、ちゃんと理解しています。しかも日本には問題が山盛りです。食べ物ひとつとっても、主食である米に始まり、麦や大豆、油菜、葉物野菜などたくさんの種類の食料が必要です。これに住居や衣類も必要ですし、道路やエネルギー、医療、教育まで考えると、いまの日本が置かれている状況はかなり厳しいと言わざるを得ません。
いろいろな問題はあるにせよ、とりあえずこの動画の内容を出発点にして、農家の離農が進んでいる問題を冷静に考えてみましょう。これから新規就農者が出てくるしか解決の道はないのか? 結論は明白です。まずその解決策はありえません。日本政府に新規就農者を増やして食料自給率を高める方向性は全くないからです。かれこれ30年前から、日本は完全に「食料の海外依存」を決めて現在に至ります。当時私は読売新聞政治部の記者で、ちょうど米の輸入問題に直面して、しかもズルズルと土俵を割って押し切られる様子を目の前で見てしまいました。
「そうはいっても、農家への補助金とか、新規就農者への助成金制度があるじゃないか」という声が聞こえてきそうですね。そこで問い返しますが、「政策が有効ならば、なぜ現役農家の離農がどんどん進み、新規就農者はすぐに離脱していくのですか?」。このことは、現場を経験している人間にしか理解しにくいと思いますが、いまの農業政策は、日本(日本人)の農業をゆっくり終わらせるためのものだと言えるでしょう。ジャーナリスト目線で私個人の考えを表現するなら、日本政府(政治家)は確実に日本の農業をつぶして海外資本に売り渡そうとしている、ということになります。ただし、私は政治家の責任を問うつもりはありません。彼らを選んだのは、結局のところ私たち有権者だからです。
さて、現実問題として解決の方向性をひとつだけ示しておきたいと思います。
すべての国民が土に触れる。その一択です。触れるといっても、「専業」でも良いし、「兼業」でも構いません。これからの厳しい時代を生き残るなら、土から離れては不可能であろうと思います。これは、教育や医療の問題も考えてのことです。子供の心を豊かに育むこと、身体を健康にすること、そのすべては土に触れることから始まります。このことは私自身の経験からも言えることですが、そもそも自明の理であろうと思っています。
土に触れるなら、私はHalu農法をお勧めします。完全な無肥料・無農薬の技術ですから、手が荒れたり、臭いもありません。なにより、Haluの場には生き物のエネルギーがあふれています。地上のさまざまな生き物とつながり、同じ感覚を共有する仲間ができます。
コメント