ふだんは会社関係の外回り以外で、家で事務仕事をしているときは、PCを操作しながら情報リサーチのためにSNSやネット検索などをしています。最近、ふとYouTubeを視聴していたら、「日本のそこそこ大きな企業の役員が、いまどきの若者が新聞を読まないことを嘆いていた」という内容の動画を見つけました。その役員さんは、新聞(日経新聞らしい)はとても重要な情報を教えてくれるし、日本語の学びにもなる。若者は新聞を読むべきだと考えているようです。動画の主は、いまどき新聞やテレビの情報を鵜呑みにすることは危険だと考えているので、その見識のズレに驚いたとのことでした。
さて、この動画を視聴して私が感じたのは、この会社役員さんに限らず、日本の年長者のほとんどは、新聞・テレビの情報をただ真に受けて、鵜呑みにしているように見えるということです。少なくとも私が現役記者だったとき(30年前)は、鵜呑みにしてもらっても良いという自信・確信があって記事をまとめていたし、それだけの取材力が自分たちにあったと思っています。
しかし、当時の後輩たちを見ていたら、「あと10年もしないうちに日本のマスメディアは地に堕ちるだろう」と思いました。多くの若手記者は考え方が軽いし、取材力が乏しすぎる。その様子を見て、「このままいけば、(オレは)自分で取材して、原稿を書いて、自分で原稿をチェックして、新聞のレイアウトまで自分でしなくちゃいけなくなるな」と感じたものです。その時の若手記者がいま幹部になっているわけです。
いま、新聞記事もテレビニュースもオンラインで見ることができますから、マスメディアのレベルは痛いほどわかります。そして、このマスメディアの流す情報を真に受けていたら、誰ひとり幸せにはなれないだろうと思って、胸が苦しくなります。
ではSNS情報なら良いのかというと、こちらも言わば玉石混交ですから、ひとつの事象に対して前後左右上下から、いろいろな人(一般人やら専門家やら自称ジャーナリストやら)が好き勝手に持論を述べています。このなかで視聴者は、「自分が好きな情報、自分の考えに近い情報、自分にとって心地よい情報」に飛びついて、まさに情報中毒になってしまいます。そこから世の中の実態、現実をあぶりだすのは至難の業だと言えるでしょう。
では、良い対策はあるのか?
はっきり書けば、そんなものはありません。よほど有能で、バランス感覚の優れたジャーナリストの情報なら、多少の参考にはなると思いますが、そういう人がどこにいるのか、私にはわかりません。現時点で「この人の言うことは、おおよそ真に受けて良さそう」とお勧めできるジャーナリストや専門家はいません。それほど、SNS情報は分野も視点も偏っているととらえています。(自分で通信社を立ち上げたいぐらいです)
そこで、あえて言うなら、「まず周囲を見渡して、自然を感じ、土に触れること」をお勧めします。自分のなかに自然界のバランスを取り戻せば、マスメディアやSNS情報に振り回されることが少なくなるはずです。私は、若い時から情報を集めて分析・判断する訓練を積んできましたので、どんな情報にも振り回されることはありませんが、訓練を積んでいない人々は、詐欺の格好の餌食になるだけです。これから景気はさらに悪化して、食料不足も目立ってくるでしょう。不安に駆られて、自らおかしな行動に出る前に、自然に戻る工夫をしてはいかがでしょうか。なかでも、無肥料・無農薬の野菜づくりは特にお勧めです。
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