データが示す家計の真実
私たちは生きるために食べ、食べ物を得るために働き、現金収入を得ています。
では、私たちは毎日の食事に、いったいいくらのお金を使っているのでしょうか?
さらに、もうひとつ考えてみたいことがあります。
それは、毎日の食事を見直すことで、家族全員が健康な身体を維持し、医療費や食費の負担を軽くすることはできないだろうか、ということです。
今回は、4人家族の食費と医療費のデータをもとに、自然食材を取り入れた食生活について考えてみます。
4人家族の食費と医療費は年間約142万円
2025年の総務省「家計調査」によると、4人世帯の食費は1か月平均103,384円。年間にすると約124万円になります。
さらに、医療費についても考えてみましょう。
今回の試算では、薬代や診察・治療費を合わせて月約15,000円、年間約18万円です。
つまり、食費と医療費を合わせると、年間約142万円ということになります。
この金額を見て、何か気づくことはないでしょうか。
私たちが毎日口にする食べ物は、身体をつくる大切な材料です。すると、食材の選び方を変えることで、家族の健康と家計の両方を見直すことができるかもしれません。
主食のお米と調味料を自然食材に変えてみる
私が提案したいのは、とてもシンプルなことです。
毎日食べる主食のお米と、味噌・醤油という基本的な調味料を、自然な素材と製法でつくられたものに変えてみることです。
では、実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
▼4人家族の食費と医療費の内訳

▲自然米・味噌・醤油に置き換えた場合の年間費用
今回の試算では、4人家族の1年間の使用量を次のように想定しています。
- 自然米(玄米)120kg:約164,000円
- 味噌12kg:約25,200円
- 醤油9リットル:約11,500円
合計すると約200,700円です。
1年間で約20万円。1か月に換算すると約16,700円になります。
もちろん、一般的な食材と比較すれば高く感じるかもしれません。しかし、毎日口にする主食と調味料を見直すための費用として考えると、どうでしょうか。
私は、この部分にこそ食生活を変える大きな意味があると考えています。
なぜ自然米の玄米なのか?
まず、お米について説明しましょう。
ここでいう自然米とは、農薬や肥料に頼らず、自然の力を生かして育てられたお米を指しています。
そして、私が特におすすめしたいのが玄米食です。
一般に玄米は「硬い」「食べにくい」「おいしくない」といったイメージを持たれることがあります。
しかし、玄米には白米に残されていない糠や胚芽の部分があり、食物繊維やビタミン、ミネラルなどを含んでいます。とくに、市販の玄米では糠の部分に残る肥料や農薬の成分が気になります。
玄米をおいしく食べるには、米の品質だけでなく、浸水時間や炊き方なども大切です。そして、もっとも重要なのは、お米の噛み方。玄米を美味しく、そして栄養価を余すところなく吸収できる噛み方もあるのです。
ただし、玄米は栄養豊富な食材ですが、それだけで人間に必要な栄養素をすべて満たせるわけではありません。
そこで、次に重要になるのが味噌と醤油です。
玄米と大豆食品の組み合わせが持つ意味
お米に含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸のうちリジンが不足しやすいという特徴があります。
一方、大豆にはリジンが豊富に含まれています。
人間に必要な必須アミノ酸は9種類。それぞれをバランスよく摂取することが大切です。
お米と大豆食品を組み合わせることは、たんぱく質の栄養バランスを考えるうえでも理にかなっています。
日本には、昔からご飯と味噌汁という食文化があります。
これは単においしいというだけではなく、異なる食材を組み合わせて食べる、先人の知恵でもあったのではないでしょうか。
私は、こうした伝統的な食文化を、現代の食生活の中でもう一度見直す価値があると考えています。
なぜ自然な素材と伝統製法にこだわるのか?
では、安価な市販のお米や味噌・醤油ではいけないのでしょうか。
これは簡単に説明できる話ではありませんが、私が重視しているのは、原材料と製造方法です。
農作物であれば、農薬や肥料に頼らず、自然の力を生かして育てること。
味噌や醤油であれば、余計な添加物に頼らず、昔ながらの原材料と伝統的な発酵製法を大切にすること。
こうした食材を選ぶことは、自分や家族の身体に何を取り入れるのか見つめ直すことでもあります。
近年、アレルギー疾患など、食と健康をめぐる問題に関心を持つ人が増えています。食生活や生活環境との関係についても、もっと考えていく必要があるのではないでしょうか。
私は、毎日の食事に使う食材を見直すことが、その第一歩になると考えています。
自然食材に変えても家計の負担は大きく変わらない?
ここで、最初の家計データに戻ってみましょう。
今回の試算では、自然米、味噌、醤油の年間費用は約20万円です。
一方、家計調査の食費の中には、外食費、お惣菜、菓子類、飲料、肉類など、さまざまな支出が含まれています。
つまり、自然米と味噌・醤油を取り入れるからといって、現在の食費にそのまま20万円が上乗せされるわけではありません。
食生活全体を見直し、外食や加工食品などに使っていた費用の一部を、毎日使う基本食材に振り向けることもできるはずです。
今回の提案は、単純に食材の価格だけを比較するものではありません。
毎日食べるものに適正な対価を支払い、家族の食生活を充実させる。その結果として、無駄な食費を見直すきっかけにもなると考えています。
もちろん、自然食材を取り入れれば医療費が必ず減るということではありません。健康は食事だけで決まるものではないからです。
それでも、毎日の食事を大切にすることには、大きな意味があると思います。
100年後の子供たちに食を届ける「食の方舟」
2026年10月、私は仲間とともに「食の方舟」というプロジェクトを立ち上げました。
その目的は、身体にとって大切な食材を、100年後の子供たちにも届けられるようにすることです。
農薬や肥料に頼らない農作物を育てる生産者。
食品添加物に頼らず、伝統的な製法で味噌や醤油などの発酵調味料をつくり続ける生産者。
こうした人たちとつながり、その技術や知恵、そして人材を未来に引き継いでいこうという取り組みです。
そのためには、生産者が無理なく農業や食品づくりを続けられる環境が必要です。
安さだけを追い求めるのではなく、適正な価格で生産してもらい、その価格のまま消費者に届ける。
今回紹介した自然米、味噌、醤油の価格も、そうした考え方に基づいています。
自然食材は、まだ誰もが気軽に手に入れられるものではないかもしれません。しかし、こうした生産者を支え、食の未来を守るためにも、ぜひ一度、自然食材を取り入れることを検討していただきたいと思っています。
子供たちの笑顔のために、毎日の食卓を変えてみませんか?
特に、小さなお子さんのいるご家庭には、ぜひ考えていただきたい提案です。
毎日食べるご飯が変わる。味噌汁の味が変わる。食卓に並ぶ食材が変わる。
そんな小さな変化が、家族の食生活を見つめ直すきっかけになるかもしれません。
何より、子供たちがご飯をおいしそうに食べてくれること。
その笑顔を見てみたいと思いませんか?
100年後の子供たちにも、安心して食べられる自然な食材を届けたい。
それが「食の方舟」の願いです。

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