2024年春から千葉県我孫子市と栃木県那須塩原市の農場で鶏の飼育を始めています。那須塩原市ではヒツジとヤギの飼育を試験的に始めていて、ヒツジは2年連続で「自然出産」に成功しました。鶏については、まず「自然卵」の生産に結びつける目的でしたが、ヒナのうちに寒さに負けてしまったり、猫やヘビに襲われたりして、購入したヒヨコはみるみる数が減ってしまいました。
そのなかでも生き延びる個体があって、数か月前から卵を産むようになりました。完全な放牧であり、冬の期間は自然米や大豆など、完全な無肥料・無農薬の餌で過ごしている鶏卵は、とても美味しく、またエネルギッシュです。
千葉も栃木も、1疋だけ雄がいるので、ほぼ有精卵です。そこで、ふ卵器で増やそうと研究を続けているところです。ところが、1か月ほど前から産卵箱でじっとしている雌が現れたので、ずっと見守っていました。この雌は2024年6月生まれなので、まだ生後1年2か月です。そして2025年8月8日の夕方、ついに1疋のヒヨコが誕生しました。まだ産卵箱の中にいるので、水とかエサとかどうしようか思案して、翌朝鶏舎に行ってみると、なんと親鳥もヒヨコも地面を歩いているではありませんか。そして、映像をご覧の通り、母鳥はヒヨコの後をついていって、ずっと見守っています。
「これが家畜と言われる動物の姿なのか?」と衝撃を受けました。
ヒツジの出産も感動的でした。まだ1歳の雌羊が、しっかり母親として子羊の世話をしていました。それと同じように、鶏ですら生まれたヒヨコを見守っているのです。
地球に生きる生き物たちの本能、遺伝子の力はすごいものだとあらためて考えさせられます。現代の人間たちは、心身ともに何と弱いことか。生まれたときから管理され、ただ周囲の大人の言うことを聞き、ルールに従ってしか生きられないようにコントロールされる人間。「万物の霊長」とプライドだけは尊大な生き物。そんな私たち人間が彼女を「家畜」と呼ぶ資格があるのだろうか。
この場面、たくさんの人に見ていただきたい、感じていただきたい、と強く思います。
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